「魔法少女・オブ・ジ・エンド」が予想外に面白い。3巻から展開されるミステリー・サスペンス

魔法少女・オブ・ジ・エンド　１魔法少女オブ・ジ・エンド (少年チャンピオン・コミックス)

佐藤健太郎 / 秋田書店 (2013/9/30)

たまたま目に付いた「魔法少女・オブ・ジ・エンド」という漫画を読んでみたところ、予想外に面白いです。

最近多くなってきたパニック・ホラー系のマンガです。上の魔法少女のようなものが突然大量に現れ人々を虐殺します。それから数人で逃げるという場面から物語が始まります。

ここだけ聞くと「またいつものパターンか」と思ってしまうかもしれません。私もそう予想していて、「まじかるー」という馬鹿っぽいかけ声も相まって外れだったかなと思ってしまいました。よく味方として描かれる魔法少女が敵だという逆転の発想だけだったかな、と。しかし、3巻から急に変わっていきます。

今まで信じていた仲間がどうも敵らしい、怪しいと告げられます。

この場面から急展開です。ここから面白くなります。「ハカイジュウ」「テラフォーマーズ」「彼岸島」などの、最初はパニック・ホラーですが徐々に格闘ものに変わっていってしまうマンガと違い、このマンガはストーリーが面白いのです。私は戦闘シーンはあまり要らないと思っています。格闘シーンではなくストーリーで楽しませて欲しいのです。

このマンガは虐殺ホラーからの軌道修正を図ったのか分かりませんが、3巻にある上の画像のシーンから犯人捜しと謎解きに入ります。この大量虐殺は誰によって仕組まれたのか。よく分からない現象だけど実行犯がいるようだ。一緒に行動していた仲間が実は…、となり、もうサスペンス好きの私としては楽しくて仕方ありません。

私の想像ですが、作者もおそらく「シュタインズゲート」というゲームをプレイしており、そこから着想したのかタイムスリップ（タイムトラベルに巻き込まれる）も出てきます。ジョン・タイターという名前も出てくるのでたぶん私の想像は当たっているでしょう。私も「シュタインズゲート」が大好きなので嬉しい限りです。

「魔法少女・オブ・ジ・エンド」は私の好みのストーリーで、今後ミステリー的なサスペンスとタイムトラベルがうまく合わさればかなり楽しいストーリーになると思います。戦闘シーンも比較的少なく、ストーリーで楽しませてくれています。たまたまこのマンガを手にとって良かったです。

現在8巻まで発売されています。何故か8巻で第1シーズンが完結らしいのですが、ちょっとタイミングが悪い区切りだったと思います。しかし第2シーズン開始までにストーリーを練ってくれるなら問題ありません。ストーリーは風呂敷を広げまくっていますので、そこをうまくまとめて欲しいです。

ストーリーの設定自体はかなり良い線にいっていると思います。あとはそれを生かせるか、という感じです。期待しています。