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読書習慣を付けたい。…マンガも本だよね?…バナナはおやつだよね?

SFというよりサスペンス。舞台設定は面白いが…「11人いる!」

萩尾望都
小学館 (1994/11/17)

先日やっとタイトルが判明した、私が子供の頃に見て覚えていたアニメ「11人いる!」。この原作コミックスが Kindle で販売されていたので買って読んでみました。

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このマンガは宇宙大学という学校の入学試験の受験生たちの話で、実際に受験生たちだけで宇宙船で生活してみるという試験があります。この中でいろいろな出来事が起きるわけです。

この宇宙船に最初に乗り込むときには10人しかいなかったはずなのに、乗り込んでみると11人いました。これがタイトルの「11人いる!」の意味です。これはサスペンス好きの私には面白い設定で、11人全員が「私は本当の受験生だ」と主張します。誰が11人目で、嘘を付いているのか。これを探っていくわけです。

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ただし、みんな試験中であって、宇宙船で53日間を無事に過ごさなければなりません。11人目探しと、宇宙船生活を同時に行うことになります。なかなか緊張感がありそうです。

ここまでは良かったのですが、このマンガは非常に読みにくいです。というのは、何が起きているのかが絵からは分からなかったり、話が飛躍している部分があるためです。非常に惜しいです。作者が女性だからか、恋愛の話が急に入り込んでくるし、もう少し話の展開を丁寧にしてくれると有り難かったです。

全体的には、いろいろな要素がちょっと弱い感じがします。SF要素は弱いし、サスペンス要素も弱いし、恋愛要素も弱い。SFは舞台が宇宙船なだけ、サスペンスとしては11人目が悪いことをするわけではなく、恋愛要素は最初から分かり易すぎです。

ただこのマンガが公開された時は1975年で、しかも少女マンガで SF というジャンルでした。それを考えると当時は画期的だったのかもしれません。このマンガには「続・11人いる!」なども含まれています。こちらは続編ですが、メインは戦争に巻き込まれるというお話。SF とはほとんど関係ありません。

子供の頃にこのアニメを少しだけ見たときの印象は強烈で、アニメのタイトルは分からなくてもその時のことは今まで忘れなかったのですが、実際に原作のマンガを読んでみるとちょっと惜しい感じがします。舞台設定は面白いのですが…。

萩尾望都
小学館 (1994/11/17)