Steinberg UR22 と Audient iD22 と Apogee Quartet を聴き比べる
オーディオインターフェースを新しくしました。
そんなに細かい知識がなかったので選ぶのが大変でした。ただ、オーディオインターフェースは基本的には高額なものほど性能が良いです。
私はコストパフォーマンスが良いものを狙っていたので調べるのに時間が掛かってしまいました。つまりお値段以上の性能のものを探していました。
どれを選んだかというと、Audient の iD22 という製品。Audient iD22 は5万円ほどなのですが、海外の Forum を見ると RME Babyface Pro と良く比べられています。
RME Babyface Pro は Windows を使っている人にはその安定性からものすごく高評価の製品で、10万円くらいの価格です。
Forum では「この製品を買おうか悩んでいるんだけど、どう思う?」という相談・質問がたくさんありますが、そこによく登場するのが「Audient iD22 を候補に入れてみてくれ」「iD22 が良いんじゃない?」というコメント。
Babyface Pro よりも iD22 の方が好み・音が良いという人もいて、二倍ほどの価格となる Babyafce Pro と比べられているのですから iD22 はコストパフォーマンスが良さそうです。
それで、えいやっと買ってみました。出音が良くなればいいなぁ。
ちなみに私は田舎に住んでいるので、実際に聴きに行ける場所がありません。田舎は大変…。ネットの情報を信じて買ってみるしかありません。
Steinberg UR22 vs Audient iD22
これまで私が使っていたのは Steinberg UR22 という製品です。私はほとんど録音をしないので UR22 にほぼ不満がありませんでしたが、この製品が低価格帯のものだとは知っていたので、もっと高いものにしたらどうなるんだろうという興味を持っていました。レイテンシーも小さくなることでしょう。
UR22 はなかなか高評価の製品です。私も Yamaha のサポートが非常に悪い以外は本当に問題がありませんでした。Windows でまったくトラブルに出会いませんでした。今は UR22 mkII となって販売されています。
Steinberg スタインバーグ 2x2 USB2.0 24bit/192kHz オーディオインターフェース UR22mkII
さて、届いた iD22 を UR22 とワクワクしながら比較してみますと、はっきり言うとがっかりでした。
iD22 の最高音質 96kHz/24bit に両方を合わせて聴き比べましたが、期待していたほどは音質が変わりません。
- 解像度は1.5倍くらい
- 音の分離は1.5倍くらい
- 高音が UR22 より余裕があって綺麗。高音は「透き通った」感じ
- 低音が少し元気よく感じる
確かにより良い音にはなったのですが、UR22 とそれほど大きな差があるように感じません。
iD22 ですらこう思ったのですから、Babyface Pro を買ってたら危なかったかも…。でもレビューを見ると音の傾向が全然違うようですが。
あと私が嫌いな部分として、iD22 は筐体が金属だということ。公式サイトでは「アルミ製のノブがカッコいいだろ?」のようなことが書かれていますが、触るときに静電気がビリッときます。
静電気が走るとレベルメーターが瞬間的に大きくなりますので、あまり静電気を流さない方がいいでしょう。Audient のサポートに聞いてみたら、静電気が流れても大丈夫だと言っていましたが。
iD22 はマイクプリアンプが良いらしいのですが、私は録音をしないので試していません。
Audient iD22 vs Pro Tools | Quartet (Apogee Quartet)
あぁ、iD22 はこんな感じなのか。期待したほど音が変わらなかったのは残念…。UR22 はそんなに悪くなかったんだなぁ。うーん、どうしようか。
と考えていたのですが、気付いたらセールされていた「Pro Tools | Quartet」を買っていました。RME Fireface UCX と悩んだのですが…。
「Pro Tools | Quartet」はほとんど売れていないでしょうから、買うのはちょっと怖かったです。
【正規輸入品】 Avid Pro Tools | Quartet (9900-65585-00) Mac/Win USBオーディオインターフェイス Pro Tools | Software
RME アールエムイー Fireface UCX 18チャンネル 24ビット/192kHz USB&FireWire オーディオインターフェイス 【国内正規品】
「Pro Tools | Quartet」は Apogee Quartet とほぼ同じなのですが、ドライバーは Apogee ではなく AVID が提供し、Mac だけでなく Windows でも使える製品です。
さて、iD22 と聴き比べてみると、もう最初の音で違いが分かります。あっ、全然違う…。圧倒的。
- 解像度が iD22 の4倍くらい (96kHz で)。192kHz にするともう少し解像度が上がる
- 音の分離がよくて、今まで聞き取れなかった音を聞き取れる
- 定位感も格段に良くなった
UR22 と iD22 はよく聴き比べないと違いが分からないくらいの差だったのですが、Quartet は一瞬で違いが分かります。
今まで聞き取れなかった音がしっかり分離されて聞き取れるようになったのは本当に嬉しい。こんなにも違うとは。音楽の再生環境にたくさんお金を掛ける人がいるのが分かってしまいました。もっと上があるのでしょう…。
低音は iD22 の方が元気が良いです。iD22 はダンスミュージックなどを聴くときに適しているという評価がありましたが、比べるとそれがよく分かります。
私の感覚ですが低音については、iD22 はバスドラムが霧吹きのように広がる音なのですが、Quartet は丸太で突かれているような感じです。バスドラムの音がキュッとしてどこから鳴っているのか分かるのです。感動。
ただ、単に音楽を聴く目的であれば iD22 の方が良いと思います。音の解像度や分離があまりよくない方がまろやかに音楽を聴けます。iD22 は低音が元気ですし。
そのほか良かったのは、
- 筐体が金属じゃなくて最高。静電気でビリッとしない
- ダイヤルが便利。押すとミュートにできる
- 音量がデジタルなので数値で音を大きくしたり小さくしたりできる
- iD22 よりコンパクト
- ディスプレイに音のレベルメーターが表示されているから、入出力を目で見られる
- ソフトウェアの Mixer は Audient のものよりも分かりやすい。設定しやすい
- iD22 よりもレイテンシーが低い
悪いのは、
- Windows ではドライバーのトラブルが多い。今サポートに報告中
- 将来的なサポートに不安がある
Apogee Quartet にすごく満足
音楽を聴く目的だけなら iD22 の方が良いだろうと書きましたが、私は Quartet の音の分離の良さに感動し、Quartet 以上のものでないともう満足できそうにありません。
確かにダンスミュージックを元気よく鳴らしてくれてノレる音なのは iD22 なのですが、私はそれよりも、音を分離してくれる方に価値を感じます。
スピーカーも変えたくなりました。
Windows で使うオーディオインターフェースを買うなら
Windows で使うオーディオインターフェースを買うなら RME の製品が良いと思います。あまり他の製品と悩まないで RME のものを買っておいた方がトラブルが少なくて良さそうです。
私は現に AVID のサポートと何度もメールのやりとりをしていて大変です。Windows10 で初めてブルースクリーンを見ました。
こういう不安な製品を買うとトラブルに対処する時間がかなりかかります。その点、RME は Windows のドライバーがしっかりしているとよく聞きますから、安定性を重視して RME の製品が良さそうです。
Steinberg も安定していたので勧めたいのですが、Yamaha に買収され、日本ではサポートがかなり悪いです。私は Steinberg UR22 に付いていた Cubase AI について問い合わせたときに、10日ぐらいかかってやっと届いた返答で「本当にその製品を買っているのか。不正に入手したのではないか」と言われ、それ以来 Yamaha の製品を避けています。
Audient は色々なレビューを読むと安定しているようです。たぶんコストパフォーマンスは良い製品だと思います。むしろ RME の製品がちょっと割高感があるのかもしれませんが、ドライバーの安定性とミキサーの出来の良さを考えるとその差額の価値はあるかもしれません。
【正規輸入品】 Apogee Quartet for iPad & Mac Lightning Only USBオーディオインターフェイス QUARTET-IOS-MAC-LO
【正規輸入品】 Avid Pro Tools | Quartet (9900-65585-00) Mac/Win USBオーディオインターフェイス Pro Tools | Software