仲間を助けたいのにお腹が空く…、むしろ食欲メイン『ダンジョン飯』
九井諒子さんの「ダンジョン飯」。素晴らしい。真面目なファンタジーなストーリーが始まったかと思ったら一点、料理マンガに…。読んでいるとお腹が空いてしまいます。
全滅の危機に妹がダンジョンを脱出させる呪文で助けてくれました。しかし妹は逃げられずドラゴンに食べられてしまいます。
真面目なスタートかと思いきや、死んでも復活させられる世界だと説明され、妹は死んでいたとしてもドラゴンに消化される前に蘇生すれば良いらしいです。妹は取りあえず話から置いておいて、という扱い。蘇生はゲームではよくある設定ではありますが、仲間が死んでもこんなにのんびりしているマンガを読むのは初めてです。
妹を助けに行こうにも主人公たちは一文無し。食べるものがありません。そこで「魔物を食べてみよう」という話に。
主人公たちは4人のパーティなのですが、他の仲間と比較すると少し常識的な人、いやエルフがいます。彼女が良い味を出しています。
魔物を捕らえてからは料理マンガになります。
急に「美味しんぼ」のように調理方法の解説が始まるので笑ってしまいます。そして食べてみると…。
「美味しい」という結論になるのは予想が付くのですが、魔物を食べたくないと言う常識的なエルフが食べて「美味しい」と感想を漏らすと、私が料理したわけでもないのにどうもニヤリとしてしまいます。
さすがは九井諒子さんで、奇抜な発想がたくさん含まれていて見事です。この奇抜な発想を見るためにマンガを読んでいるようなものです。
私は九井諒子さんの「ひきだしにテラリウム」や「竜のかわいい七つの子」を読んでからずっとファンです。展開がうまいし、絵がうまいし。「ダンジョン飯」ももちろん楽しめました。死ぬ危険があるのに緊張感が無いのが良いですね。
妹を助ける話が忘れ去られそうな気もしますが、「ダンジョン飯」は今後どうなっていくのでしょう。「1巻」という表記があるので続くとは思うのですが…。続きか他のマンガか何でも良いのですが、期待して待っています。