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葬儀は果たして行う意味があるの?

私は父が病室で心臓が停止して呆然としていたのですが、病院に駆けつけていた親族の方がすぐに葬儀屋を呼び、着々と手続きが始まりました。私は葬式を執り行うのが初めてだったので全く何が何だか分からず、親族の方の主導で進みました。

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葬儀で分からないところは葬儀屋さんが教えてくれる

そうしてお通夜、葬儀が行われました。父が亡くなったばかりで呆然とはしていましたが、儀式ですから正しいやり方が気になりますよね。お通夜や葬儀の挨拶は葬儀屋さんがテンプレートを教えてくれ、それを元に自分で作ります。このあたりの手順は全部葬儀屋さんに聞けば教えてくれます。葬儀を何度も行う人の方が珍しいわけですから、恥ずかしがらずにどんどん聞けば良いでしょう。

私は兄が駆けつけてくれ、兄が喪主をやってくれました。私が呆然としていた中、大変助かりました。

葬儀は意味があったのか?

私の父は、葬儀は親族のみで良い、あまりお金を掛けるなと言っていました。そこでもちろん、親族のみ、特別に父と親しい人は招く、という形のお通夜・葬儀となりました。

しかしお通夜・葬儀になってみると、亡くなった父の姉が「私が葬式を取り仕切っている」というかのように前に出て、喪主である兄の立場がよく分からなくなりました。父の姉はとにかく世間体を気にしているようで、挨拶に回り、父の死を悲しんでいる様子はありません。誰よりも私が一番悲しんでいたと思います。

お通夜・葬儀ともに父の姉はにこにこしながら挨拶をしています。私はものすごく違和感を持ちました。葬儀中、葬儀屋の方たちが後ろで「あの方(私)はまったく笑わないね」と仲間と話しているのを耳にしましたが、当然ではないでしょうか。亡くなってから数日しか経っていません。葬儀が早すぎます。

一般的には遺体の状態がなるべく良いままにして儀式をしたいわけですから、特に葬儀屋は儀式を急ぐのですが、私は気持ちの整理の時間が欲しかった。葬式の準備・執行に忙殺されることは望ましくありません。

葬儀の後は仏教では「精進落とし」という食事会のようなものが開かれるのですが、ここでみんな親族で仲良く笑いながら話しているわけです。私は親族とはあまり接点がないため、この時間が苦痛でした。

結局、人間は死んでも悲しんでくれる人は少ないようです。親族のおばさまたちの「私の息子がどこどこの大学に行った」「私の家も~」という世間話ばかりが聞こえます。この場でその自慢話をするのか…? 親族が世間話をするために集まったのか?

さらには香典を父の姉が受け取っている事実が発覚し、お返しを喪主の名前で行っていました。一体どうなっているのでしょう…。大いに落胆しました。しかも父の姉は誰から香典を頂いたのかは私たちに教えられないと言っています。意味が分かりません。

私がそのことを指摘したら怒り出し、人間関係で疲れました。結局、親族にとって葬儀は単なるコミュニケーションの場と成り果ててしまっています。しかも父の姉のための。父の友人の方が親族よりも悲しんでくれていました。

私の父は生前、自分の葬式は行わなくて良いということも言っていました。とは言っていたものの、父の死をみんなで悼み、これからみんなで心機一転しようという儀礼として葬式なら、葬式をしてもいいのかなと思って私は葬式を行いましたが、果たしてその意味はあったのでしょうか。

葬儀はお金が掛かる

また、葬儀というのはお金が掛かります。香典でお金が多く集まってもおそらく赤字になります。葬儀屋さんに香典のリストの作成を頼むと、葬儀の代金が香典で集まった金額以上の請求額に必ずなるという話も聞きました。

私は香典のチェックを自分で行ったのですが、それでも葬式代の 1/3 ほどしかお金が集まりませんでした。親族のみの葬式ですから人数が少なく、そういうことになりやすいです。

お金持ちの人なら良いのですが、私たち兄弟は父のお金をできる限り残そうとしており、あまり意味のないことにはお金を使いたくありません。言い方は悪いかもしれませんが、葬儀屋とお寺が死者の財産を吸収しているかのように思えました。お墓やその後の四十九日や年忌でもお金を取られます。

ともかくお金お金です。お金が掛かって仕方ありません。良い仕事だなぁと思ってしまいました。

別の形の葬儀があればいいな

こんな感じで、葬儀の意義には少し首をかしげてしまいました。死者を弔う意も薄く、お金も掛かる。世間体だけを気にする人も現れ、人間関係がこじれる。これは今の日本、特に若者達には合わなくなってきています。

お墓の土地が少ないなどの問題もありますし、葬儀はもう少し変化が必要だと思います。私はこれなら葬儀をしない方が楽だったと感じています。火葬などの最小限のみで、友人や家族による葬儀だけで良いかもしれません。親族は近しければ参加してもらってもいいと思いますが、遠い親族はそんなに集まってもらう意味がないかもしれません。

私はともかく葬儀に疲れました。