モニター用のスピーカーよりもヘッドフォンを買った方が良いのだろうか…
作曲(ミックス)する際には音を細かく聞かせてくれるスピーカーやヘッドフォンが必要になります。
私は以前書いたとおり JBL LSR305 を使っていますが、もう少し良いものにしたい。というのも、(超)低音のバランスを決められないのです。
JBL LSR305 はこの価格帯では一番良いスピーカーだと思います。
ですが、5インチのウーファーでは低音を満足に確認できません。そこでもう一段階大きいスピーカーにしたいのです。
私は低音を肌で感じるほどのスピーカーは使ったことがありません。どうやら良いスピーカーだと Kick の音の違いが明確に分かるようで、その体験をしてみたいです。
狙っているモニタースピーカーは…
ネット上の情報を見てスピーカーは Genelec が良さそうだとは決めました。ですが価格的に、8030CPM、8040、8330、8340、あたりでないと手が出ません。8340も私からしたらかなりの冒険です。ペアで40万くらい。測定マイクも買うとなるともう少しお金が必要です。
8340 と共に測定マイクも買うなら、その価格の近くに 8050 があります。悩ませてくれます。
価格的には 8030CPM あたりがお財布に優しい…。大きいサイズのスピーカーにするという目的は満たしません。ですが音は格段によくなるでしょうから魅力的です。
後は Eve Audio、Focal のスピーカーが気になっています。
eve audio SC207 アクティブモニタースピーカー 2台セット(1ペア)
【正規輸入品】 EVE Audio SC307 アクティブモニタースピーカー(1本)
【国内正規輸入品】EVE AUDIO SC307 (1Pair)
どれにしよう? 実際には聴きに行けません。田舎なので近くにはスピーカーをたくさん置いてある店がありません。少し遠くへ行っても田舎圏を脱せず、スピーカーを試聴するのは難しいです。
ネット上では Genelec 8x3x のスピーカーでは低音が足りない、サブウーファーが必要になるという意見がありました。低音が足りないならもっと大きいサイズのスピーカーが良いということになります。
8030CPM の周波数特性は『47 Hz - 25 kHz』、しかし 8340A にしても『38 Hz - 22 kHz』です。 低音での 9Hz の差は大きいのだとは思いますが、サブウーファーを導入すればもっと下を聴くことができる。
言い換えれば、サブウーファーがないともっと下は確認できない…。
低音を確認できるラージスピーカーは高すぎるし大きいし部屋の整備も必要で無理です。ニアフィールドモニターとしてのスピーカーは低音をある程度諦めて、割り切って使った方が良いのかもしれません。
ただサブウーファーを追加しようにも価格が高いです。10万超えですね。もっと安いかと思っていたのですが、低音を再現するサブウーファーはサイズが大きくないといけないので高くなってしまうのでしょう。
ここに来てヘッドフォンという可能性
色々と調べていたらヘッドフォンでミックスを完結する人もいるという話を見ました。
もちろんスピーカーでミックスして確認した方が良いとは思いますが、今は良いスピーカーで音楽を聴いている人の方が少ないし、みんな iPhone などのイヤホンやヘッドフォンで音楽を聴いている。
さらに、隣人への騒音を気にしたりして環境的にもスピーカーで大きな音を出すのは難しい場合がある。防音材・吸音材も結構高い。
となれば、ヘッドフォンでミックスを確認するというのは一つの手です。マスタリングプラグインを作っている iZotope の人はイヤホンでミックスを確認していました。
私は高いイヤホンというのは全く使ったことがありません。それまでイヤホンはおもちゃだとずっと思っていて、全く気にしていませんでした。品質の良いイヤホンもあるのだろうなとは思いますが、まだ買うにはちょっと怖い。
ヘッドフォンはかなり低音を出せて、周波数特性は一桁 Hz から出せるものも多いです。Sennheiser HD800S は『4 - 51,000 Hz』です。スピーカーよりも低音を確認するためにかかるお金が少ないです。
モニター向けのヘッドフォンを調べますと、いくつか候補が挙がります。
ゼンハイザー HD600 ダイナミックオープンエア・ヘッドホン(ヘッドフォン) ハイグレードモデル [並行輸入品]
ゼンハイザー ヘッドホン オープン型 HD 650【国内正規品】
ティアック セミオープン型テスラテクノロジーヘッドホン beyerdynamic T 1 2nd Generation T 1 2nd Generation
beyerdynamic T 1 2nd Generation [並行輸入品]
ゼンハイザー オープン型 ヘッドホン HD 800 S【国内正規品】
ゼンハイザー Sennheiser HD800S ヘッドホン [並行輸入品]
audio-technica オーディオテクニカ プロフェッショナルオープンバックリファレンスヘッドホン ATH-R70X
価格はバラバラですが、上のヘッドフォンは評価が高いです。
ただ「MDR-CD900ST」は日本ではかなりたくさんの場所で使われているようですが、ミックス用としてではなく、音の確認に向いているようです。そんなに高くないので1つ買ってみても良いかなぁと思っています。
この中では Sennheiser HD800S は解像度の評価がものすごく高いです。現時点で、国内正規品は18万円くらい、並行輸入品は15万円くらいしますから、価格からすると良い製品であって欲しいです。
HD800S と比べられることがあるのが、beyerdynamic T 1 2nd Generation です。beyerdynamic T 1 2nd Generation の方が価格が安いので、こちらが同等くらいの性能があれば安い方が嬉しいです。
実は私は Sennheiser が好きです。音質のことはちょっとおいておいて、側圧が弱くて装着したときにすごく楽なのです。私は眼鏡を掛けているので、側圧の弱さはかなり重要です。
側圧が強くて嫌なのが AKG。AKG でも高いヘッドフォンになると違うとは思いますが。以前使っていた AKG K271 は側圧が強くて眼鏡が左右からぐにょっと潰されて変形してしまい、ほとんど使いませんでした。付け心地は重要です。
Sonarworks Reference という便利なプラグイン
ヘッドフォンやスピーカーを買うときにはフラットな音なのかどうか気になりますが、Sonarworks が販売している Reference というソフトウェア(プラグイン)が素晴らしいです。
このソフトを使うと音のキャリブレーションができます。音がフラットになるようにしてくれるのです。
Reference 3 – HEADPHONE CALIBRATION | Media Integration, Inc.
Sonarworks ソナーワークス / Reference 3 Complete with Mic - boxed
Sonarworks ソナーワークス / Reference 3 Speaker Calibration Software Suite + Mic
ヘッドフォンを買う場合、このソフトに対応しているもの買えばフラットな音を確認できます。スピーカーの場合は測定マイクで補正。
ヘッドフォンやスピーカーのフラットさをあれこれ悩んで購入するよりも、フラットな音に近づけてしまおうという試みはものすごくいいです。
低音が強調されてしまう ADAM のスピーカーは、その低音を抑えてしまえば良いわけです。これでフラットな音に近付き、スピーカーの良さの方により目を向けられます。
ということで、ヘッドフォンを買うなら Sonarworks Reference に対応したものを買った方が良さそうですね。ソフトはヘッドフォン用なら安いです。
もう少し悩んでみます
海外のフォーラムなども見てもう少し情報を集めてからどうしようか決めようと思います。
スピーカーやヘッドフォン選びは難しいです。東京だと試聴できるので羨ましい限りです。