モバイルデータ通信の料金がやっと下がりそう。魅力が減るMVNO各社はどうする?
ソフトバンクがデータ通信 20GB で月 6000円、30GB で月 8000円という新しいプランを出しました。
更新:ソフトバンク、20GBで月6000円のデータ定額「ギガモンスター」をiPhone 7合わせで発表、9月13日提供開始 - Engadget Japanese
これに追従するように au も同じようなプランを出し、docomo も続くでしょう。
私はスマートフォンであまり通信をしないので 20GB は必要ありません。私のような人も多いでしょう。しかし、これによってデータ使用量が少ない人も恩恵を受けられるかもしれません。
20GB で 6000円なので、1GB あたり 300円。30GB だと 8000円なので約270[円/GB]。
月に数GBあれば問題ない人たちは、現在の 5GB のプランだと1GB あたり 1000円も払っています。1GB のプランは最悪で 2900円。これを新しいプランの単価で計算すると 300 x 5 = 1500円。
MVNO の価値が下がった
新プランが登場するまでは大手携帯会社の小さなデータ量のプランではコストが見合わず、MVNO(格安SIM)を利用するのが手でした。大手携帯会社のプランでデータ通信を行っている人はお金持ちか、知識がない人です。
MVNO のデータ通信の料金として DMMモバイルを例に出すと、データ通信のみのプランで月1GBなら 480円(税抜)。
2016/09/12 の時点
しかし、ソフトバンクの新プランと同じ 20GB で比較すると、DMM は 1GB あたり約250円。ソフトバンクだと約300[円/GB] でした。そんなに変わりません。
このままだと MVNO の魅力が激減です。
有線の光回線並みの料金はいつのことやら
有線のインターネットの光回線が月6000円くらいです。これを知っていると無線の通信と言えど、これまでの大手携帯会社の 5GB で 5000円は高すぎました。
WiMAX もありますが、通信量制限が厳しく、有線インターネットには置き換わりませんし、モバイル通信と比べてもあまり良いサービスとは言えません。現時点では3日で3GB の制限。少なすぎ。
ここに来てやっと大手携帯会社のデータ通信料が下がりました。20GB で6000円は、5GB で 5000円との料金差がありすぎますから、たぶん小さなデータ容量のプランは料金が下がっていくでしょう。
有線の光回線並みにまで料金が下がってくるならすぐにそちらに移行したいんですけどね。無線では安定性と通信量がまだまだです。
ちょっと遠いかもしれませんが、将来的には有線インターネットがなくなる可能性があります。色々が無線で行える時代に入るはずです。
Apple の新しいイヤホンも無線ですし。そういう時代が早く到来して欲しいです。
一波乱ありそう
これまで安いデータ通信料金では MVNO が頑張っていましたが、大手携帯会社が MVNO と同じくらいまで料金を下げるとなると MVNO の魅力が一気になくなります。
自社の通信回線を使う MVNO の魅力がなくなってしまうので、もしかしたら MVNO 並みには安くしないのかもしれませんが、それでも今回の新プランの発表は MVNO に結構ダメージが大きそうです。
日本通信社が MVNO 事業を手放すと発表しましたが、良い選択だったのかも。
石野純也のMobile Eye(8月8日~19日):日本通信はなぜ個人向けMVNO事業を手放すのか (1/2) - ITmedia Mobile
MVNO の U-NEXT はソフトバンクの新プランに早速対応していて、U-mobile 25GB で 2380円のプランを出してきました。
U-mobile、iPhoneの修理代金を5万円まで保証する『for iPhone』、25GBで月2380円の新プランを発表 - Engadget Japanese
『U-mobile MAX 25GB』は、月間のデータ通信容量が25GBのプラン。データ通信専用で月額2380円、音声通話対応のSIMにすると月額2880円になります。
このほか、U-mobile は LTE使い放題で 2480円というプランがありますね。通信制限がちょっと厳しそうですが。
ソフトバンクの新プランによって近い将来に大手携帯会社や MVNO を含め、たくさんの会社でデータ通信料の値下げがありそうです。消費者としては楽しみです。